英語の発音記号の読み方と覚える順番|一覧・綴りとのズレ・ə の使い方

公開日: ·更新日: ·約9分で読めます

ShoSho

辞書で単語を引くと、綴りの横に / / でくくられた記号が並んでいます。これが発音記号です。読めるようになると、知らない単語でも音を目で確かめられるようになります。

この記事では、まず母音と子音の一覧を置きます。記号ごとに例の単語と、口をどう作るかを添えました。そのあとで、読み方の決まり、綴りにあるのに読まない字が出る理由、どの記号から覚えると早いかの順に書きます。

全部を覚える必要はありません。先に結論を書くと、いちばん多く出てくる ə(あいまい母音)から始めるのが早道です。理由は後半で書きます。

この記事の要点

  • 発音記号は母音と子音に分かれます。この記事の一覧では母音16行・子音13行にまとめています
  • 記号は「どの音か」を表すだけで、強く読む位置や長さは別の印(ˈ と ː)が表します
  • 綴りにあるのに読まない字があります。know の k、write の w、island の s がその例です
  • いちばん多く出てくる母音は ə(あいまい母音)で、弱く読む位置に現れます
  • 記号が読めることと、自分の発音が合っていることは別です。前者は目で確かめられますが、後者は音を録って比べないと分かりません

発音記号の一覧(母音と子音)

まず母音です。表記はアメリカ英語を基準にしています。イギリス英語では一部の記号が変わりますが、この記事の後半で触れます。

母音の発音記号(アメリカ英語の表記)
記号例の単語口の作り方
iːsee, eat, key口を横に引いて長め。日本語の「イー」より唇が張る
ɪsit, big, build「イ」と「エ」の中間。短く、力を抜く
ebed, head, said日本語の「エ」に近い。口はあまり開かない
æcat, map, have「ア」と「エ」の中間。口を横に広げて顎を下げる
ɑːfather, hot, stop喉の奥で「アー」。口を大きく開ける
ʌcup, love, money短い「ア」。口の開きは小さく、力を抜く
ɔːlaw, bought, four唇を丸めて「オー」
ʊbook, good, put短い「ウ」。唇は軽く丸める
uːfood, blue, two唇を強く丸めて「ウー」
əabout, banana, supportあいまい母音。力を抜いた「ア」。弱く読む位置に出る
ɜːrbird, learn, work舌を中央で丸めた「アー」。r の響きが混ざる
eɪday, make, rain「エ」から「イ」へ滑らせる
aɪmy, time, buy「ア」から「イ」へ滑らせる
ɔɪboy, join, noise「オ」から「イ」へ滑らせる
aʊnow, house, out「ア」から「ウ」へ滑らせる
oʊgo, home, know「オ」から「ウ」へ滑らせる

次に子音です。声を出すか出さないかだけが違う組(p と b、t と d など)は、同じ行にまとめました。口の作り方が同じで、喉が震えるかどうかだけが変わるためです。

子音の発音記号(声の有無で対になるものは同じ行)
記号例の単語口の作り方
p / bpen, book唇を閉じて破裂させる。b は声を出す
t / dtime, day舌先を上の歯ぐきに当てて離す。d は声を出す
k / gcat, go舌の奥を上あごに当てて離す。g は声を出す
f / vfive, very上の歯を下唇に当てて息を通す。v は声を出す
θ / ðthink, this舌先を上下の歯で軽くはさむ。ð は声を出す
s / zsee, zoo舌先を歯ぐきに近づけて息を通す。z は声を出す
ʃ / ʒshe, measure唇を少し丸めて息を通す。ʒ は声を出す
tʃ / dʒchild, job破裂と摩擦を続けて出す。dʒ は声を出す
hhouse, who喉から息だけを出す
m / n / ŋmy, no, sing鼻に息を抜く。ŋ は舌の奥を上あごに当てたまま
llive, all舌先を歯ぐきに当てて、脇から音を出す
rred, car舌先をどこにも当てない。奥へ引く
w / jwe, yes唇や舌をすばやく次の母音へ動かす

記号と実際の音を突き合わせたいときは、辞書の発音ページで単語を引くと、記号と音声の両方が同時に手に入ります。

読み方の決まりは3つだけ

記号そのもの以外に、覚えることが3つあります。どれも記号の列の中に混ざって出てきます。

  • ː(コロンに似た記号)は「長く伸ばす」。iː と ɪ は同じ音の長短ではなく別の音ですが、表記上はこの印で区別します
  • ˈ(上付きの縦線)は「次の音節を強く読む」。about /əˈbaʊt/ なら後ろが強い
  • ˌ(下付きの縦線)は「そこそこ強く読む」。長い単語で2番目に強い位置を示します

強く読む位置は、意味が変わるほど大事です。record は前を強く読むと名詞(記録)、後ろを強く読むと動詞(記録する)になります。同じ形の語は他にもあり、present、object、increase なども同じ仕組みで名詞と動詞が入れ替わります。記号を読むときは、音の種類と同じくらい ˈ の位置を見てください。

もう1つ、記号の列を見るときに戸惑いやすいのが、辞書によって書き方が少し違うことです。同じ音でも /r/ を上付きで書く辞書と、そのまま書く辞書があります。どの流儀かは辞書の凡例に書いてあるので、最初に1度だけ確かめておけば、以降は迷いません。

綴りにあるのに読まない字がある(know の k はなぜ消えたのか)

発音記号を読み始めると、必ず引っかかる場所があります。綴りにある字が、記号の列に出てこないことです。know は /noʊ/ で k がありません。write は /raɪt/ で w が、island は /ˈaɪlənd/ で s がありません。

これは例外の暗記ではなく、理由のある現象です。英語の綴りは、発音が変わったあとも古い形のまま残りました。know や knife の k は、かつては実際に読んでいた音です。綴りが先に固まり、音だけが先に進んだ結果、字と音がずれたまま残っています。

island の s は事情が違います。もともと s は書かれていませんでしたが、似た意味の語に合わせて後から足されました。つまり、はじめから読まない字として入っています。綴りを見て「昔はこう読んでいたのだろう」と考えると外れる例です。

この2種類があるので、読まない字を綴りから推測するのは当てになりません。確実なのは記号を見ることです。辞書を引いたときに、綴りの字数と記号の数を軽く見比べる癖をつけると、読まない字がある単語にはその場で気づけます。

ここを知っておくと、発音記号の見方が変わります。記号は綴りの読み上げではなく、いま実際に出ている音の記録です。だから綴りと記号が食い違ったときは、記号のほうが正しいと考えてください。

読まない字は、単語ごとにばらばらに覚えるものではありません。同じ組み合わせが繰り返し出てくるので、組み合わせで覚えると数が一気に減ります。下の5つを押さえておくと、辞書を引いたときに「記号に無い字」が出てきても迷わなくなります。

  • k が消える — know /noʊ/、knife /naɪf/、knee /niː/(いずれも n の前)
  • w が消える — write /raɪt/、wrong /rɔːŋ/、answer /ˈænsər/
  • b が消える — climb /klaɪm/、debt /det/、doubt /daʊt/
  • l が消える — walk /wɔːk/、half /hæf/、could /kʊd/
  • t が消える — listen /ˈlɪsən/、castle /ˈkæsəl/、often(読む人も読まない人もいます)

まず ə から覚えると早い

記号は全部で40ほどありますが、覚える順番には差があります。最初の1つを選ぶなら ə です。読み方は、力を抜いた短い「ア」。口の形は決まっておらず、前後の音に引っぱられます。

この記号が特別なのは、出てくる回数です。英語は強く読む音節と弱く読む音節が交互に来る言語で、弱いほうの母音はほとんど ə になります。about の a、banana の1つ目と3つ目の a、support の u は、綴りが違うのに記号は全部 ə です。

日本語には弱く読む母音がありません。だから日本語を母語にする人は、弱いはずの位置を綴りどおりにはっきり読んでしまいます。バナナの3つの「ア」を同じ強さで読むと、英語の banana とは別の形になります。

ə を知ると、聞こえ方も変わります。聞き取れなかった箇所が「音が弱いから消えて聞こえていた」だけだと分かるようになるためです。言語の習得では、自分が気づいた特徴だけが身につくという整理があります。記号は、その気づきの手がかりになります。

見分け方は単純です。ˈ が付いていない音節の母音は、たいてい ə になります。computer /kəmˈpjuːtər/ なら、強いのは真ん中だけで、前後は弱く読みます。辞書で長めの単語を引いたときに ˈ の位置と ə の位置を並べて見ると、規則が見えてきます。

もう1つ、ə と並べて覚えると効くのが ɜːr(bird、learn、work)です。こちらは強く読む位置に出るので、弱い ə とは逆の場所に現れます。どちらも日本語に無い音なので、最初にこの2つを押さえておくと、辞書の記号の8割は読めるようになります。

発音記号は覚えるべきか

全部を暗記する必要はありません。ただ、読めると得をする場面がはっきりしています。

  • 知らない単語を、音声が無くても目で確かめられる
  • カタカナでは書き分けられない音(æ と ʌ、θ と s など)を区別して覚えられる
  • 辞書に載っている音と、自分が思っていた音のずれに気づける

逆に、覚えなくても困らない場面もあります。会話のたびに記号を思い出す必要はありませんし、単語の音を知りたいだけなら音声を聞けば足ります。

おすすめの順番は、①ə、②日本語に無い音(æ、θ、ð、r と l の違い)、③残りの母音、④残りの子音です。①と②だけでも、辞書を引いたときの情報量がはっきり増えます。

覚え方 — 一覧をPDFにするより、アプリより、引くたびに1つずつ

一覧を印刷して貼る、PDF にして持ち歩く、アプリで反復する。どれも続けば効果はありますが、記号だけを切り離して覚えるのは退屈で、たいてい途中で止まります。

続きやすいのは、辞書を引くたびに1つだけ拾う方法です。知らない単語を引いたとき、記号の中に読めない字が1つあったら、その1つだけをこの記事の一覧で確かめる。1日に何十個も覚えようとしないぶん、忘れにくくなります。

専用のアプリを入れるかどうかは好みです。記号を並べて出すアプリはいくつもありますが、記号の一覧そのものは辞書にも載っているので、まず手元の辞書の凡例を開いてみてください。単語の音を引く先は辞書のほかにもあり、何を確かめたいかで開く先が変わります。

自分のレッスンで測るなら — SpeakCoach

まとめ — どこから手をつけるか

  • まず一覧を眺めて、日本語に無い音(æ、θ、ð、ʌ、r)に印をつける
  • 次に ə を覚える。弱く読む位置に出る、力の抜けた「ア」
  • 綴りと記号が食い違ったら、記号のほうを信じる(know の k は読まない)
  • 辞書で単語を引くときに、記号と音声を一緒に見る癖をつける

出典

この記事の出典は、すべて実際にページを開いて確認したものです。ページの内容は変わるので、確認した日付を併記しています。

出典: Cambridge Dictionary 公式 Pronunciation(2026-08-24 時点) / Schmidt (1990) The Role of Consciousness in Second Language Learning, Applied Linguistics 11(2)(2026-08-19 時点)

よくある質問

英語の発音記号は覚えるべきですか?
全部を暗記する必要はありません。ただし読めると、音声が無くても知らない単語の音を目で確かめられます。カタカナでは書き分けられない音(æ と ʌ、θ と s)も区別できます。まず ə と、日本語に無い音から覚えるのが早道です。
英語の発音記号の一覧はどこで見られますか?
英語の発音記号の一覧は、この記事の前半にあります(母音16行・子音13行)。記号ごとに例の単語と口の作り方を添えました。記号と実際の音を同時に確かめたいときは、辞書の発音ページで単語を引いてください。
なぜ know の k は発音しないのですか?
かつては実際に読んでいた音だからです。英語は綴りが先に固まり、そのあとで音だけが変わりました。know や knife の k は、その名残で綴りにだけ残っています。island の s のように、後から書き足されて最初から読まない字もあります。
「ə」はどう読みますか?
力を抜いた短い「ア」です。口の形は決まっておらず、前後の音に引っぱられます。弱く読む位置に出るので、about の a、banana の1つ目と3つ目の a、support の u は綴りが違っても全部 ə です。
カタカナで覚えてはいけませんか?
入口としては使えますが、書き分けられない音があります。cat の æ と cut の ʌ はどちらも「ア」になり、think の θ と sink の s はどちらも「ス」になります。区別したい段階に来たら記号に切り替えてください。
中学生でも覚えられますか?
記号そのものは40ほどで、漢字より少ない数です。ただ全部を一度に覚える必要はありません。ə と、日本語に無い音(æ、θ、ð、r と l の違い)の5つから始めると、辞書を引いたときに読める範囲が一気に広がります。
アメリカ英語とイギリス英語で記号は違いますか?
一部が違います。たとえば hot はアメリカ英語で /hɑːt/、イギリス英語で /hɒt/ と書かれます。car の r も、アメリカ英語では音として残り、イギリス英語では母音の長さに置き換わります。辞書はどちらの表記かを明示しているので、最初に確かめてください。
1つの単語の発音だけを確かめたいときはどうすればいいですか?
辞書の発音ページで引くのがいちばん確実です。記号と音声が同時に出ます。辞書に載っていない人名や地名は、実際に話している人の録音を集めたサイトのほうが見つかります。
共有

関連記事

スピークコーチ

毎日の英会話を、
確かな成長に。

レッスンの録音をAIが分析して、次に使える形で残します。

  • 繰り返している文法ミス
  • 言えなかった表現
  • 先生の言い方(対応しているサービスのみ)
SpeakCoach のセッション詳細画面。総合スコアと文法・自然さ・語彙・流暢さ・発音の5項目、次回のフォーカス、先生の言い直しとの比較が並んでいる
18,000件+
累計フィードバック
最短1分
レッスン後に結果
150+
対応サイト
97%
「無いと困る」

※ 件数・対応サイト数は 2026年9月 時点の自社実績(対応サイトは Google Meet・Zoom を含む)。 レッスン終了から結果が出るまでは中央値 約1分40秒。 「無いと困る」は利用者アンケートで「使えなくなったら残念」と回答した割合(自社調べ・2026年9月時点)。