英語の発音記号の読み方と覚える順番|一覧・綴りとのズレ・ə の使い方
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辞書で単語を引くと、綴りの横に / / でくくられた記号が並んでいます。これが発音記号です。読めるようになると、知らない単語でも音を目で確かめられるようになります。
この記事では、まず母音と子音の一覧を置きます。記号ごとに例の単語と、口をどう作るかを添えました。そのあとで、読み方の決まり、綴りにあるのに読まない字が出る理由、どの記号から覚えると早いかの順に書きます。
全部を覚える必要はありません。先に結論を書くと、いちばん多く出てくる ə(あいまい母音)から始めるのが早道です。理由は後半で書きます。
この記事の要点
- 発音記号は母音と子音に分かれます。この記事の一覧では母音16行・子音13行にまとめています
- 記号は「どの音か」を表すだけで、強く読む位置や長さは別の印(ˈ と ː)が表します
- 綴りにあるのに読まない字があります。know の k、write の w、island の s がその例です
- いちばん多く出てくる母音は ə(あいまい母音)で、弱く読む位置に現れます
- 記号が読めることと、自分の発音が合っていることは別です。前者は目で確かめられますが、後者は音を録って比べないと分かりません
発音記号の一覧(母音と子音)
まず母音です。表記はアメリカ英語を基準にしています。イギリス英語では一部の記号が変わりますが、この記事の後半で触れます。
| 記号 | 例の単語 | 口の作り方 |
|---|---|---|
| iː | see, eat, key | 口を横に引いて長め。日本語の「イー」より唇が張る |
| ɪ | sit, big, build | 「イ」と「エ」の中間。短く、力を抜く |
| e | bed, head, said | 日本語の「エ」に近い。口はあまり開かない |
| æ | cat, map, have | 「ア」と「エ」の中間。口を横に広げて顎を下げる |
| ɑː | father, hot, stop | 喉の奥で「アー」。口を大きく開ける |
| ʌ | cup, love, money | 短い「ア」。口の開きは小さく、力を抜く |
| ɔː | law, bought, four | 唇を丸めて「オー」 |
| ʊ | book, good, put | 短い「ウ」。唇は軽く丸める |
| uː | food, blue, two | 唇を強く丸めて「ウー」 |
| ə | about, banana, support | あいまい母音。力を抜いた「ア」。弱く読む位置に出る |
| ɜːr | bird, learn, work | 舌を中央で丸めた「アー」。r の響きが混ざる |
| eɪ | day, make, rain | 「エ」から「イ」へ滑らせる |
| aɪ | my, time, buy | 「ア」から「イ」へ滑らせる |
| ɔɪ | boy, join, noise | 「オ」から「イ」へ滑らせる |
| aʊ | now, house, out | 「ア」から「ウ」へ滑らせる |
| oʊ | go, home, know | 「オ」から「ウ」へ滑らせる |
次に子音です。声を出すか出さないかだけが違う組(p と b、t と d など)は、同じ行にまとめました。口の作り方が同じで、喉が震えるかどうかだけが変わるためです。
| 記号 | 例の単語 | 口の作り方 |
|---|---|---|
| p / b | pen, book | 唇を閉じて破裂させる。b は声を出す |
| t / d | time, day | 舌先を上の歯ぐきに当てて離す。d は声を出す |
| k / g | cat, go | 舌の奥を上あごに当てて離す。g は声を出す |
| f / v | five, very | 上の歯を下唇に当てて息を通す。v は声を出す |
| θ / ð | think, this | 舌先を上下の歯で軽くはさむ。ð は声を出す |
| s / z | see, zoo | 舌先を歯ぐきに近づけて息を通す。z は声を出す |
| ʃ / ʒ | she, measure | 唇を少し丸めて息を通す。ʒ は声を出す |
| tʃ / dʒ | child, job | 破裂と摩擦を続けて出す。dʒ は声を出す |
| h | house, who | 喉から息だけを出す |
| m / n / ŋ | my, no, sing | 鼻に息を抜く。ŋ は舌の奥を上あごに当てたまま |
| l | live, all | 舌先を歯ぐきに当てて、脇から音を出す |
| r | red, car | 舌先をどこにも当てない。奥へ引く |
| w / j | we, yes | 唇や舌をすばやく次の母音へ動かす |
記号と実際の音を突き合わせたいときは、辞書の発音ページで単語を引くと、記号と音声の両方が同時に手に入ります。
読み方の決まりは3つだけ
記号そのもの以外に、覚えることが3つあります。どれも記号の列の中に混ざって出てきます。
- ː(コロンに似た記号)は「長く伸ばす」。iː と ɪ は同じ音の長短ではなく別の音ですが、表記上はこの印で区別します
- ˈ(上付きの縦線)は「次の音節を強く読む」。about /əˈbaʊt/ なら後ろが強い
- ˌ(下付きの縦線)は「そこそこ強く読む」。長い単語で2番目に強い位置を示します
強く読む位置は、意味が変わるほど大事です。record は前を強く読むと名詞(記録)、後ろを強く読むと動詞(記録する)になります。同じ形の語は他にもあり、present、object、increase なども同じ仕組みで名詞と動詞が入れ替わります。記号を読むときは、音の種類と同じくらい ˈ の位置を見てください。
もう1つ、記号の列を見るときに戸惑いやすいのが、辞書によって書き方が少し違うことです。同じ音でも /r/ を上付きで書く辞書と、そのまま書く辞書があります。どの流儀かは辞書の凡例に書いてあるので、最初に1度だけ確かめておけば、以降は迷いません。
綴りにあるのに読まない字がある(know の k はなぜ消えたのか)
発音記号を読み始めると、必ず引っかかる場所があります。綴りにある字が、記号の列に出てこないことです。know は /noʊ/ で k がありません。write は /raɪt/ で w が、island は /ˈaɪlənd/ で s がありません。
これは例外の暗記ではなく、理由のある現象です。英語の綴りは、発音が変わったあとも古い形のまま残りました。know や knife の k は、かつては実際に読んでいた音です。綴りが先に固まり、音だけが先に進んだ結果、字と音がずれたまま残っています。
island の s は事情が違います。もともと s は書かれていませんでしたが、似た意味の語に合わせて後から足されました。つまり、はじめから読まない字として入っています。綴りを見て「昔はこう読んでいたのだろう」と考えると外れる例です。
この2種類があるので、読まない字を綴りから推測するのは当てになりません。確実なのは記号を見ることです。辞書を引いたときに、綴りの字数と記号の数を軽く見比べる癖をつけると、読まない字がある単語にはその場で気づけます。
ここを知っておくと、発音記号の見方が変わります。記号は綴りの読み上げではなく、いま実際に出ている音の記録です。だから綴りと記号が食い違ったときは、記号のほうが正しいと考えてください。
読まない字は、単語ごとにばらばらに覚えるものではありません。同じ組み合わせが繰り返し出てくるので、組み合わせで覚えると数が一気に減ります。下の5つを押さえておくと、辞書を引いたときに「記号に無い字」が出てきても迷わなくなります。
- k が消える — know /noʊ/、knife /naɪf/、knee /niː/(いずれも n の前)
- w が消える — write /raɪt/、wrong /rɔːŋ/、answer /ˈænsər/
- b が消える — climb /klaɪm/、debt /det/、doubt /daʊt/
- l が消える — walk /wɔːk/、half /hæf/、could /kʊd/
- t が消える — listen /ˈlɪsən/、castle /ˈkæsəl/、often(読む人も読まない人もいます)
まず ə から覚えると早い
記号は全部で40ほどありますが、覚える順番には差があります。最初の1つを選ぶなら ə です。読み方は、力を抜いた短い「ア」。口の形は決まっておらず、前後の音に引っぱられます。
この記号が特別なのは、出てくる回数です。英語は強く読む音節と弱く読む音節が交互に来る言語で、弱いほうの母音はほとんど ə になります。about の a、banana の1つ目と3つ目の a、support の u は、綴りが違うのに記号は全部 ə です。
日本語には弱く読む母音がありません。だから日本語を母語にする人は、弱いはずの位置を綴りどおりにはっきり読んでしまいます。バナナの3つの「ア」を同じ強さで読むと、英語の banana とは別の形になります。
ə を知ると、聞こえ方も変わります。聞き取れなかった箇所が「音が弱いから消えて聞こえていた」だけだと分かるようになるためです。言語の習得では、自分が気づいた特徴だけが身につくという整理があります。記号は、その気づきの手がかりになります。
見分け方は単純です。ˈ が付いていない音節の母音は、たいてい ə になります。computer /kəmˈpjuːtər/ なら、強いのは真ん中だけで、前後は弱く読みます。辞書で長めの単語を引いたときに ˈ の位置と ə の位置を並べて見ると、規則が見えてきます。
もう1つ、ə と並べて覚えると効くのが ɜːr(bird、learn、work)です。こちらは強く読む位置に出るので、弱い ə とは逆の場所に現れます。どちらも日本語に無い音なので、最初にこの2つを押さえておくと、辞書の記号の8割は読めるようになります。
発音記号は覚えるべきか
全部を暗記する必要はありません。ただ、読めると得をする場面がはっきりしています。
- 知らない単語を、音声が無くても目で確かめられる
- カタカナでは書き分けられない音(æ と ʌ、θ と s など)を区別して覚えられる
- 辞書に載っている音と、自分が思っていた音のずれに気づける
逆に、覚えなくても困らない場面もあります。会話のたびに記号を思い出す必要はありませんし、単語の音を知りたいだけなら音声を聞けば足ります。
おすすめの順番は、①ə、②日本語に無い音(æ、θ、ð、r と l の違い)、③残りの母音、④残りの子音です。①と②だけでも、辞書を引いたときの情報量がはっきり増えます。
覚え方 — 一覧をPDFにするより、アプリより、引くたびに1つずつ
一覧を印刷して貼る、PDF にして持ち歩く、アプリで反復する。どれも続けば効果はありますが、記号だけを切り離して覚えるのは退屈で、たいてい途中で止まります。
続きやすいのは、辞書を引くたびに1つだけ拾う方法です。知らない単語を引いたとき、記号の中に読めない字が1つあったら、その1つだけをこの記事の一覧で確かめる。1日に何十個も覚えようとしないぶん、忘れにくくなります。
専用のアプリを入れるかどうかは好みです。記号を並べて出すアプリはいくつもありますが、記号の一覧そのものは辞書にも載っているので、まず手元の辞書の凡例を開いてみてください。単語の音を引く先は辞書のほかにもあり、何を確かめたいかで開く先が変わります。
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記号が読めることと、自分の発音がそのとおりに出ているかは別です。とくに ə のような弱い音は、出しているつもりで、はっきり読んでいることがあります。
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まとめ — どこから手をつけるか
- まず一覧を眺めて、日本語に無い音(æ、θ、ð、ʌ、r)に印をつける
- 次に ə を覚える。弱く読む位置に出る、力の抜けた「ア」
- 綴りと記号が食い違ったら、記号のほうを信じる(know の k は読まない)
- 辞書で単語を引くときに、記号と音声を一緒に見る癖をつける
出典
この記事の出典は、すべて実際にページを開いて確認したものです。ページの内容は変わるので、確認した日付を併記しています。
出典: Cambridge Dictionary 公式 Pronunciation(2026-08-24 時点) / Schmidt (1990) The Role of Consciousness in Second Language Learning, Applied Linguistics 11(2)(2026-08-19 時点)
よくある質問
- 英語の発音記号は覚えるべきですか?
- 全部を暗記する必要はありません。ただし読めると、音声が無くても知らない単語の音を目で確かめられます。カタカナでは書き分けられない音(æ と ʌ、θ と s)も区別できます。まず ə と、日本語に無い音から覚えるのが早道です。
- 英語の発音記号の一覧はどこで見られますか?
- 英語の発音記号の一覧は、この記事の前半にあります(母音16行・子音13行)。記号ごとに例の単語と口の作り方を添えました。記号と実際の音を同時に確かめたいときは、辞書の発音ページで単語を引いてください。
- なぜ know の k は発音しないのですか?
- かつては実際に読んでいた音だからです。英語は綴りが先に固まり、そのあとで音だけが変わりました。know や knife の k は、その名残で綴りにだけ残っています。island の s のように、後から書き足されて最初から読まない字もあります。
- 「ə」はどう読みますか?
- 力を抜いた短い「ア」です。口の形は決まっておらず、前後の音に引っぱられます。弱く読む位置に出るので、about の a、banana の1つ目と3つ目の a、support の u は綴りが違っても全部 ə です。
- カタカナで覚えてはいけませんか?
- 入口としては使えますが、書き分けられない音があります。cat の æ と cut の ʌ はどちらも「ア」になり、think の θ と sink の s はどちらも「ス」になります。区別したい段階に来たら記号に切り替えてください。
- 中学生でも覚えられますか?
- 記号そのものは40ほどで、漢字より少ない数です。ただ全部を一度に覚える必要はありません。ə と、日本語に無い音(æ、θ、ð、r と l の違い)の5つから始めると、辞書を引いたときに読める範囲が一気に広がります。
- アメリカ英語とイギリス英語で記号は違いますか?
- 一部が違います。たとえば hot はアメリカ英語で /hɑːt/、イギリス英語で /hɒt/ と書かれます。car の r も、アメリカ英語では音として残り、イギリス英語では母音の長さに置き換わります。辞書はどちらの表記かを明示しているので、最初に確かめてください。
- 1つの単語の発音だけを確かめたいときはどうすればいいですか?
- 辞書の発音ページで引くのがいちばん確実です。記号と音声が同時に出ます。辞書に載っていない人名や地名は、実際に話している人の録音を集めたサイトのほうが見つかります。
TAKE A 株式会社の代表。英語の教員免許を持ち、これまで20以上のオンライン英会話サービスを使い、通算1,000回以上のレッスンを受けてきました。いまはレッスンの録音をAIが分析する SpeakCoach を作っています。
