英語の発音チェック9選|無料で使えるのは6つ、声を採点するのは5つ
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「英語 発音チェック 無料」で検索すると、ツールがずらりと並んだ記事がいくつも出てきます。ただ、そこに並んでいるものは同じ種類の道具ではありません。自分の声を採点してくれるものもあれば、お手本を聞かせてくれるだけのもの、お手本の音声を作るだけのものが、区別されないまま同じ表に入っています。
先に結論を書きます。この記事で紹介する9つのうち、自分の声に点数をつけてくれるのは5つです。残りはお手本を聞く道具、お手本を作る道具、話した英語を文字にするだけの道具で、どれも採点はしません。悪い道具という意味ではなく、役割が違います。
もうひとつ、無料の棚でよく混ざるものがあります。「無料体験が7日ある」だけで、そのあとは有料になるアプリです。9つのうち期限なしで使える範囲があるのは6つ、体験のあと有料になるのは2つです。残る1つは金額を公表していません。
目的別に先に書いておきます。用意された文ではなく、実際に受けたレッスンの中で自分がどう発音したかを見たいなら SpeakCoach。いますぐ1回だけ測りたいなら AnyToSpeech(登録もインストールも要りません)。毎日続ける形が欲しいなら ELSA Speak。単語の正しい音を確かめたいだけなら Cambridge Dictionary。理由は下の表と各章に書きました。
この記事の要点
- 「発音チェック」と呼ばれる道具は4種類あります。採点するもの、お手本を聞かせるもの、お手本を作るもの、話した英語を文字にするものです
- この記事の9つのうち、自分の声に点数をつけるのは5つだけです。残りは採点をしません
- 期限なしで使える範囲があるのは6つ、無料体験のあと有料になるのは2つです
- 残る1つは金額を公表していない
- 単語の正しい音を確かめたいだけなら、採点の道具は要りません。辞書で足ります
- 点数は「今どこがずれているか」を示すもので、上がること自体が目的ではありません
「発音チェック」と呼ばれる道具は、4種類ある
検索して出てくるツールは、やっていることで4つに分かれます。ここを先に分けておくと、どれを開けばいいかが自分で決められます。
- 自分の声を採点する — 話した音を解析して、どこがずれているかを点数や印で返す
- お手本を聞く — ネイティブが実際にどう言っているかを聞かせてくれる。採点はしない
- お手本を作る — 入力した英文を読み上げて音声にする。採点はしない
- 認識するだけ — 話した英語を文字にする。合っているかどうかは言わない
この区別は勝手に作ったものではありません。たとえば読み上げサービスの音読さんは、自社の記事のなかで「音読さん自体には、自動音声認識による発音採点や、誤り箇所を自動判定する機能はありません」とはっきり書いています。それでも「発音チェック」で検索すると上位に出ます。道具の側は正直なのに、まとめ記事の側が混ぜてしまっているということです。
4種類あると分かると、順番も決まります。お手本を聞いて正しい音を知る、その音を出せているか採点してもらう、直したいところが分かったらまたお手本に戻る。採点だけを繰り返しても、正しい音を知らなければ直しようがありません。
「無料」と「無料体験」を分けて見る
まとめ記事で「無料」として並んでいるものの中には、期限つきの体験が混ざっています。この記事の表では「無料の範囲あり」と「体験のあと有料」を別の言葉にしてあります。
たとえば BoldVoice は公式が「最初の7日間は無料」と書いており、Speak も7日間の無料トライアルのあとは Premium と Premium Plus の2段になります。どちらも良いアプリですが、「ずっと無料で使えるもの」を探している人にとっては別の棚です。
もうひとつ、金額そのものについて。ELSA の料金は公式のドメイン内でも複数の価格が同時に出ています(年間プラン換算の月額2,316円、1年13,900円、1年27,800円)。常時なんらかのキャンペーンが動いているので、どの価格が出るかは開いた時期によって変わります。
アプリを入れずに、Google だけで済ませたいなら
発音を確かめたいだけで、アプリは入れたくないという場合もあります。Google の検索窓には、単語の発音を出す機能と、自分の声を聞いて判定する機能があります。登録は要りません。
見てもらえるのは単語ひとつぶんで、文をどう読んだかまでは出ません。単語によっては機能そのものが出ないこともあります。手順と、出ないときに何を確かめるかは別の記事にまとめています。
発音チェックツールの選び方
9つを見比べるより、先に自分の条件を決めたほうが早く終わります。決めておくのは次の4つです。
- ずっと無料でいいか、有料でもいいか — 「無料」の棚には7日で終わる体験が混ざっています。期限があるかどうかを先に見ます
- 何を相手に測りたいか — 単語なのか、決まった文なのか、会話なのか。ツールによって測れる単位が違います
- どこまで細かく知りたいか — 「何点」で足りるのか、「どの音がずれたか」まで欲しいのか。音素の単位まで返すものと、単語までのものがあります
- 録音が残ってほしいか — あとから聞き直したいなら残るもの、声を保存されたくないなら残さないと明記しているものを選びます
4つめは見落とされやすいところです。録音した声がどう扱われるかは、公式ページに書かれていないことがあります。表ではその欄を ※ にしています。
9つの早見表
| ツール | 何をする道具か | 料金 | 何を相手に | 採点の粒度 | 録音が残るか |
|---|---|---|---|---|---|
| SpeakCoach | 自分の声を採点する | 無料の範囲あり | 会話 | 複数の観点 | 残る |
| ELSA Speak | 自分の声を採点する | 無料の範囲あり | 単語・文・会話 | ※ | ※ |
| AnyToSpeech 発音テスト | 自分の声を採点する | 無料の範囲あり | 文 | 複数の観点 | 残らない |
| BoldVoice | 自分の声を採点する | 体験のあと有料 | 文・会話 | 複数の観点 | 残る |
| Speak | 自分の声を採点する | 体験のあと有料 | 文・会話 | ※ | ※ |
| Cambridge Dictionary | お手本を聞く | 無料の範囲あり | 単語 | 採点しない | 残らない |
| YouGlish | お手本を聞く | ※ | 単語・文 | 採点しない | 残らない |
| NaturalReader | お手本を作る | 無料の範囲あり | — | 採点しない | 残らない |
| Google 翻訳 | 認識するだけ | 無料 | 単語・文 | 採点しない | 残らない |
出典: SpeakCoach 実装(自社) / ELSA 公式 / AnyToSpeech 公式 / BoldVoice 公式 / Speak 公式 / Cambridge Dictionary 公式 / YouGlish About / YouGlish 公式 / NaturalReader 公式 / Google 翻訳 公式
自分の声を採点してくれる5つ
採点があると何が変わるかというと、自分では気づけないずれが見えることです。話している本人には、自分の音が相手にどう聞こえているかが分かりません。ここに挙げたものは、その差を機械が指摘してくれます。
SpeakCoach
★他と違うのは「練習用の文」ではなく実際に受けたレッスンの中で自分がどう発音したかを測る点。録音が残るので後から聞き直せる
こういうときに開きます —— 用意された文ではなく、実際のレッスンの中で自分がどう話したかを見たいとき。読み上げの練習では出てこない、考えながら話しているときの音が対象になります。
SpeakCoach の公式ページ
ELSA Speak
公式が「一人ひとりに最適化された学習パス」「すべてのレッスンで即時のパーソナライズフィードバック」と書いている、採点つきの学習アプリ。無料で使える範囲がある
★料金は公式ドメイン内でも3つの異なる価格が出る(月額2,316円 / 1年¥13,900 / 1年27,800円)。常時キャンペーンが走っているので、どの価格が出るかは開いた時期によって変わる
こういうときに開きます —— 一度きりの計測ではなく、レッスンの形になっているものを毎日続けたいとき。学習パスが用意されているぶん、何をやればいいかを自分で決めなくて済みます。
ELSA Speak の公式ページ
AnyToSpeech 発音テスト
★4つの観点で採点する(完全性・正確性・流暢さ・発音品質)。表示された英文を読み上げると 0〜100点と単語ごとのフィードバックが返り、音素レベルの誤りも検出する。登録不要で、開いてすぐ使える
料金: 発音テストそのものは無料で、登録もアカウントも不要(公式「はい、完全に無料です」)。日次の回数制限を外すプレミアムは $7/月から
★録音を保存しないと明記している数少ないツール(公式「音声は分析のために送信され、即座に削除されます。音声録音を保存することはありません」)。UI は日本語を含む12言語
こういうときに開きます —— いますぐ1回だけ測りたいとき。登録もインストールも要らず、ページを開いて表示された英文を読むだけで終わります。まず自分の現在地を知る用途に向いています。
AnyToSpeech 発音テスト の公式ページ
BoldVoice
★採点の項目を公式が名指ししている数少ないツール ——「pronunciation, stress and clarity」。フレーズと会話を録音させてから分析する
料金: 最初の7日間が無料。金額の記載はトップページに無い
こういうときに開きます —— 仕事の場で聞き返される回数を減らしたいとき。採点する項目を公式が名指ししている(発音・強勢・明瞭さ)ので、どこを直せばいいかが数字とひもづきます。
BoldVoice の公式ページ
Speak
公式が「発音だけでなく、言い回しがどれくらい自然か」を返すと書いている。Premium Plus は自分の間違いから作られたレッスンが出る
料金: 7日間の無料トライアル。Premium と Premium Plus の2段。金額は公表されていない
こういうときに開きます —— 発音だけを切り出すのではなく、言い回しが自然かどうかもまとめて見たいとき。会話のやりとりの中でフィードバックが返るので、単語の練習とは手応えが違います。
Speak の公式ページ
お手本を聞く道具・作る道具
採点する道具だけでは足りません。「この音がずれています」と言われても、正しい音を知らなければ直せないからです。お手本を聞く道具と、お手本を作る道具を並べておきます。
Cambridge Dictionary
★イギリス英語とアメリカ英語の両方を並べて聞ける辞書。発音記号も一緒に出る。公式によると音声は合成ではなく「実在の人が吹き込んだもの」で、CEFR の A1〜C2 に入る語はすべて収録されている
こういうときに開きます —— 単語1つの正しい音を確実に押さえたいとき。発音記号が併記されているので、音を聞くだけでなく、どの音の並びなのかを目でも確認できます。
Cambridge Dictionary の公式ページ
YouGlish
★辞書の音ではなく実際の動画の中でその語がどう発音されているかを並べて聞ける。品詞・話者の性別・人物(例: Obama / Clinton)で絞れるので、文脈ごとの違いが分かる
★公式 About は料金に一切触れず、代わりに寄付を募っている。UI の言語切替も About・トップの両方に無い(検索対象の言語には日本語がある)
こういうときに開きます —— 辞書の音を聞いても腑に落ちないとき。同じ語でも話す人や文脈で音が変わるので、実際の場面をいくつか並べて聞くと、辞書の1つの音より輪郭がはっきりします。
YouGlish の公式ページ
NaturalReader
★入力した英文を読み上げてお手本を作る道具(採点はしない)。長い文章や PDF もそのまま音声にできるので、練習したい素材を自分で用意できる。ブラウザ・スマホアプリ・Chrome拡張から使える
料金: 公式に「Free forever plan」「No credit card required」と明記。有料プランは用途別(Personal / Commercial / EDU)
こういうときに開きます —— 練習したい素材を自分で用意したいとき。教材の英文でも、仕事で読む資料でも、貼りつければ音声になります。自分の声と交互に再生して聞き比べる使い方が手軽です。
NaturalReader の公式ページ
認識するだけの道具
Google 翻訳
★公式は音声を「入力手段」としてしか書いていない(“Type, say, or handwrite — Use voice input”)。発音を評価する機能の記載は無い
★「正しく認識された=正しい発音」ではない。通ったかどうかは合否であって、採点ではない
こういうときに開きます —— いま手元にあるもので、通じるかどうかだけ大まかに見たいとき。専用のツールを入れる前の、ごく粗い確認に向いています。
Google 翻訳 の公式ページ
音声入力が正しく文字になったかどうかは、採点ではありません。認識が通ったのは「機械が聞き取れた」というだけで、点数も、どこがずれたかも返ってきません。通じるかどうかの大まかな確認には使えますが、直すための情報は出ないと考えたほうがいいです。
カタカナ英語から抜けられない理由と、リズムの直し方
発音を直そうとして最初にぶつかるのが、自分の音がずれていることに気づけないという問題です。日本語にない音を日本語の音に置き換えて覚えていると、置き換えた側の音が「その単語の音」として定着します。本人の中では正しく言えているので、指摘されるまで疑いようがありません。
第二言語習得では、この「気づく」段階が学習の入口として扱われてきました。入力を浴びているだけでは形は身につかず、その形に意識が向いて初めて取り込まれるという考え方です。
(筆者による要約)意識的な気づきなしに第二言語の形式が学習されることはない。入力が取り込みになるためには、学習者がその形式に注意を向ける必要がある。
ここが、採点してくれる道具の価値です。点数そのものより、「自分では合っていると思っていた音がずれている」と知ることのほうが効きます。逆に言えば、お手本を聞き流しているだけでは気づきが起きないので、いつまでも同じ音のままになります。
リズムとアクセントの位置
LとRのような個々の音は気になりやすいところですが、通じるかどうかを大きく左右しているのは、どの音節を強く読むかと、文全体のリズムです。アクセントの位置が違うと、音そのものが正しくても別の単語に聞こえてしまうことがあります。
この記事で挙げた道具のうち、複数の観点で採点するものは、音の正確さだけでなく流暢さや強勢も見ています。単語単位で高い点が出るのに会話だと通じない、ということが起きるのは、測っている単位が違うからです。
それから、訛りをなくす必要はありません。英語を話す人の多くは母語話者ではないので、母語話者と同じ音でなければ通じないということはないです。目指すところは「相手が聞き返さずに済む」くらいで十分だと思います。
AIの採点は何を見ているのか(点数の内訳と、訛りの扱い)
採点してくれる道具のいくつかは、同じ設計に基づいています。広く使われているものの1つが Azure AI Speech の発音評価で、仕様が公開されているので、何を見ているかをそのまま読めます。点数が思ったより低いときは、この内訳を見ると当たりが付きます。
返ってくるのは4つの点数
| 点数 | 何を見ているか | どの単位で出るか |
|---|---|---|
| 精度(Accuracy) | 音素がネイティブの発音とどれだけ一致するか | 音素・音節・単語・全文 |
| 流暢さ(Fluency) | 単語と単語のあいだの無音の取り方が、ネイティブにどれだけ近いか | 全文のみ |
| 韻律(Prosody) | 強勢、イントネーション、話す速度、リズム。自然さと表現力 | 全文のみ |
| 完全性(Completeness) | 用意された文に対して、実際に発音された単語の比率 | 全文のみ |
出典: Microsoft Learn
大事なのは、この4つが別々のものを見ているという点です。ひとつひとつの音が正確でも、間の取り方が不自然なら流暢さは下がります。逆に、すらすら話せていても個々の音が置き換わっていれば精度は下がります。「発音が良い/悪い」という1本の物差しではありません。
精度は音素の単位まで下りて出ます。たとえば hello の期待される音素は h ɛ l oʊ ですが、実際には ɛ ではなく ə と発音されていた、という粒度で返ります。
総合点は「一番低い点」で決まる
ここがいちばん誤解されているところです。総合点は4つの平均ではありません。4つを低い順に並べて、一番低いものから順に重みを変えて足します。
つまり、4つのうち3つが90点でも、1つが50点なら総合はそちらに強く引かれます。「なぜか点数が上がらない」というときは、平均を上げようとするのではなく、一番低い1つを特定して、そこだけ直すのが早い、ということになります。
また、単語ごとには誤りの種類も返ります。精度が60を下回った単語には「誤発音」の印が付き、ほかに省略、挿入、余計な区切り、区切りの欠落、単調(モノトーン)といった種類があります。ただし省略と挿入は、読む文をあらかじめ渡したときにしか出ません。渡した文と実際に言った語を突き合わせて初めて「言わなかった」「足した」が分かるからです。
「訛りの判定」は採点とは別のもの
「AIが自分の英語の訛りから国を当てる」という遊びが知られていますが、あれは発音の採点ではありません。どの地域の話し方に似ているかを分類しているだけで、良し悪しを言っていません。
発音評価のほうは、想定した音のパターンとの距離を測っています。訛りがあること自体は減点の対象ではなく、想定した音から離れると精度が下がる、という関係です。「訛りを消すこと」と「点数を上げること」は同じではありません。目的が「どの国っぽく聞こえるか知りたい」なら判定サイトで一度試せば済み、目的が「相手に伝わるようにしたい」なら点数の内訳のほうを見ることになります。
点数が出ても、直し方は出ない
採点してくれる道具を使うと、たいてい数字が出ます。ただ、数字が下がった理由と、明日どう口を動かせばいいかは別の話です。音素の単位まで見せてくれるものは、どの音がずれたかまでは教えてくれますが、その音をどう出すかは自分で調べることになります。
そして、いちど固まった音は、正しい音を聞くだけでは戻りにくいことが知られています。学習者の中に作られた独自の体系はそのまま残りやすく、放っておくと固定化するという考え方が、半世紀前から議論されてきました。
(筆者による要約)学習者は目標言語とも母語とも異なる独自の言語体系を作り上げる。その体系の一部は、学習を続けても目標言語の形に近づかないまま固定化する。
出典: Selinker (1972) Interlanguage, IRAL 10(1-4)(2026-08-19 時点)
教室での訂正フィードバックを集めた分析では、正しい形をその場で言い直して聞かせる働きかけよりも、学習者自身に言い直させる働きかけのほうが効果が大きいと報告されています。★この分析が比べたのは教師の与え方であって、機械の採点ではありません。ここから言えるのは「気づいたあとに自分で言い直す機会があるほうが残る」ところまでで、点数そのものの効果を示したものではありません。
(筆者による要約)口頭の訂正フィードバックは第二言語の習得に有意な効果を持ち、なかでも学習者に自分で言い直させる働きかけ(prompts)は、正しい形をその場で示す言い直し(recasts)より効果が大きかった。15の研究・のべ827人。
それから、点数は同じ文を何度も読むと上がります。上がっているのが発音なのか、その文に慣れただけなのかは、点数からは区別できません。3回目に90点が出たとしても、初見の文で同じ点が出るとは限らないということです。
シャドーイングと組み合わせる(聞き取りも一緒に変わる)
ここまで挙げた道具は、どれも一区切りの音を測ります。単語を1つ、文を1つ、決まった長さを読んで点が返る。これは点で測っているということです。一方で、実際の会話は途切れずに続きます。単語ごとには正しくても、つなげたときに崩れることがあります。
そこを埋めるのがシャドーイングです。お手本の音声を聞きながら、少し遅れて同じことを声に出して追いかける練習で、音を一つずつ直すのではなく、リズムごと真似します。音がつながって別の音になるところ、消えるところ、強く読むところが、まとめて体に入ります。
採点する道具と組み合わせると、役割が分かれます。シャドーイングで全体の流れを作り、採点で「どの音が基準からずれているか」を見つけて、その音だけをお手本に戻って確かめる。どちらか一方だけだと、流れは良いのに個々の音がずれたまま、あるいは音は正確なのに会話だと固い、というどちらかに寄ります。
素材は、お手本を作る道具で自分で用意できます。教材の英文でも、仕事で使う言い回しでも、読み上げさせて音声にすれば、そのままシャドーイングの材料になります。市販の教材を探すより、自分が実際に言う必要のある文でやるほうが続きます。
出せる音と、聞き分けられる音は近い
★どちらが先に変わるかは、ここでは示せません(そこまで測った資料を持っていません)。ただ、発音の練習をしていると、話すことより先に聞き取りが変わったと感じることがあります。自分が区別して出せない音は、聞くときにも区別しにくいからです。逆に、自分で出し分けられるようになった音は、相手が言ったときにも引っかかるようになります。
これは、採点する道具を使う理由のもうひとつでもあります。点数を上げること自体が目的ではなく、「自分がこの2つの音を同じものとして扱っていた」と知ることに意味があります。知った時点で、聞くときの解像度が変わりはじめます。
だから、練習して数日で話し方が変わらなくても、やめる必要はありません。先に変わるのは耳のほうで、口がついてくるのはそのあとです。手応えを測るなら、点数より「相手の言ったことが前より引っかかるようになったか」のほうが早く出ます。
1日どれくらいやればいいか
まとまった時間を取るより、短くても間をあけて何度も戻るほうが残ります。5分でも構いません。長時間の練習を週に1回やるより、短い練習を毎日のほうが向いています。
進め方としては、①お手本を聞いて正しい音を知る ②同じ文を録音して採点してもらう ③指摘された音だけをお手本に戻って聞き直す、という3つを回すのが分かりやすいです。②で出た数字を追いかけるのではなく、③で戻る回数を増やすほうが変わります。
そして、単語や短い文で点が取れるようになったら、実際に話している場面の音を確かめてください。用意された文を丁寧に読むときの発音と、会話のなかで内容を考えながら話すときの発音は、同じではありません。
この中で、自分のレッスンでやるなら — SpeakCoach

まとめ — 目的別にどれを開くか
- 実際のレッスンの中での発音を見たい → SpeakCoach(会話の中の音を測り、録音が残る)
- いますぐ1回だけ測りたい → AnyToSpeech(登録もインストールも不要。4つの観点で採点され、録音は保存されないと明記されている)
- 毎日続ける形が欲しい → ELSA Speak(学習パスがあるので、何をやるかを自分で決めなくて済む)
- 仕事で聞き返される回数を減らしたい → BoldVoice(発音・強勢・明瞭さの3項目を公式が名指ししている。7日間の体験のあとは有料)
- 言い回しが自然かどうかもまとめて見たい → Speak(7日間の体験のあとは有料)
- 単語1つの正しい音を確かめたい → Cambridge Dictionary(英米両方+発音記号)
- 文脈の中でどう発音されているか知りたい → YouGlish(実際の動画から探して並べてくれる)
- 練習したい素材を自分で音声にしたい → NaturalReader(Free forever plan)
- 手元のもので通じるかだけ大まかに見たい → Google 翻訳(採点はされません)
覚えておくこと
- 「発音チェック」で出てくる道具は4種類ある — 採点する / お手本を聞く / お手本を作る / 認識するだけ
- この記事の9つのうち、自分の声を採点してくれるのは5つ
- 選ぶ前に決めるのは4つ — 無料の期限 / 測る単位(単語・文・会話)/ 採点の粒度 / 録音が残るか
- 無料の棚には「7日間の無料体験」が混ざっている。期限があるかどうかを先に見る
- 金額はキャンペーンで動く。まとめ記事の数字ではなく公式で確かめる
- 点数そのものより、自分では合っていると思っていた音がずれていると知ることが効く
- 個々の音より、どの音節を強く読むかと文全体のリズムのほうが通じるかどうかを左右する
- 点数は同じ文を繰り返すと上がる。上がったのが発音か、その文への慣れかは点数では分からない
- 短くても間をあけて何度も戻る。単語で点が取れたら、実際に話している場面の音を確かめる
出典
この記事の出典は、すべて実際にページを開いて確認したものです。ページの内容は変わるので、確認した日付を併記しています。
出典: SpeakCoach 実装(自社)(2026-08-24 時点) / ELSA Speak 公式(日本語)(2026-08-24 時点) / AnyToSpeech 公式「無料英語発音テスト」(2026-08-24 時点) / BoldVoice 公式(American Accent Training App)(2026-08-24 時点) / Speak 公式(2026-08-24 時点) / Cambridge Dictionary 公式 Pronunciation(2026-08-24 時点) / YouGlish 公式 About(2026-08-24 時点) / YouGlish 公式(2026-08-24 時点) / NaturalReader 公式(AI Text to Speech)(2026-08-24 時点) / Google 翻訳 公式(About)(2026-08-24 時点) / Schmidt (1990) The Role of Consciousness in Second Language Learning, Applied Linguistics 11(2)(2026-08-19 時点) / Microsoft Learn「発音評価を使用する」(Azure AI Speech)(2026-08-31 時点) / Selinker (1972) Interlanguage, IRAL 10(1-4)(2026-08-19 時点) / Lyster & Saito (2010) Oral Feedback in Classroom SLA: A Meta-Analysis, Studies in Second Language Acquisition 32(2)(2026-08-19 時点)
よくある質問
- AIの発音採点は、どこまで信用していいですか?
- 「その音が基準からどれだけ離れているか」は、かなり安定して返ってきます。信用しないほうがいいのは、点数そのものの絶対値です。同じ音でも、マイクの位置・周囲の音・読み上げた速さで数点は動きます。ツールごとに基準も違うので、別のツールの点数と並べても意味がありません。使い方としては、同じツール・同じマイクで、同じ文を何度か読んで、その中での上下を見るのが確実です。
- 何度やっても一致率が60%くらいから上がりません。
- まず、点数が上がらないことと、通じないことは別です。多くのツールは基準の話者に対する近さを測っているので、通じる発音でも満点にはなりません。そのうえで、上がらないときに効くのは、全体をもう一度読み直すことではなく、返ってきた結果の中で一番低い音を1つだけ選んで、その音だけを繰り返すことです。音素の単位まで返してくれるツールを使っているなら、そこが分かります。返してくれないツールなら、まずそちらに移ったほうが早いです。
- 発音レベルを測るには、どんな文を読めばいいですか?
- 毎回同じ文を使ってください。文が変わると難しさも変わるので、上下したのが自分の発音なのか文の違いなのか分からなくなります。長さは10語から15語くらい、自分が普段の会話で言いそうな内容がいいです。有名な例文を使う必要はありません。むしろ練習を重ねるほど、その文だけが上手くなっていきます。測るための文と、練習するための文は分けたほうが確実です。
- 無料のツールだけで発音は直りますか?
- ずれに気づくところまでは、無料でも十分にできます。音素の単位まで返してくれるものが無料であるので、どの音がまずいかは分かります。難しいのはそのあとで、気づいた音をどう出すかは自分で調べることになります。もうひとつ、用意された単語や短い文を読む形で測るツールが多いので、会話の中で通じるかどうかは別に確かめる必要があります。
- スマホとパソコン、どちらで使えばいいですか?
- どちらでもかまいませんが、マイクの位置は結果に影響します。ノートパソコンの内蔵マイクは口から遠く、周囲の音も拾うため、点数が実力より低く出ることがあります。イヤホンのマイクを使うと安定します。同じツールで比べるときは、毎回同じマイクを使ってください。
- アメリカ英語とイギリス英語、どちらで練習すればいいですか?
- どちらかに決めて、途中で混ぜないほうが楽です。採点するツールはたいていどちらかを基準にしているので、基準と違う発音をすると点が下がります。Cambridge Dictionary のように両方を並べて聞ける辞書があるので、まず聞き比べてから決めるといいと思います。
- 録音した自分の声はどうなりますか?
- ツールによって違い、そして公式に書かれていないことが多い項目です。この記事の表で ※ が付いているのはそのためです。はっきり書かれているものもあり、たとえば AnyToSpeech は「音声は分析のために送信され、即座に削除されます。音声録音を保存することはありません」と公表しています。気になる場合は、そのツールのプライバシーポリシーを見るのが確実です。
- 点数はどれくらい当てになりますか?
- 同じ文を繰り返すと上がるので、点数そのものより上がり方の見方が大事です。初見の文で測ったときの点と、3回読んだあとの点は別のものです。また、機械が測っているのは「基準の音とどれだけ近いか」であって、「相手に通じるか」ではありません。訛りがあっても通じる英語はいくらでもあるので、点数が低いことをそのまま通じないと読まないほうがいいです。
- ネイティブと同じ発音にならないとだめですか?
- そうではありません。英語を使っている人の多くは母語話者ではないので、母語話者と同じ音でなければ通じないということはないです。目安としては、相手が聞き返さずに済むところまでで十分だと思います。ただし、アクセントの位置が違うと別の単語に聞こえてしまうことがあるので、そこだけは確かめておくと会話が楽になります。
- 無料で英語の発音をチェックする方法は?
- 期限のない無料枠を持つ道具から選ぶのが安全です。まとめ記事で「無料」と並んでいるものには期限つきの体験が混ざっているので、この記事では「無料の範囲あり」と「体験のあと有料」を別の言葉にして分けています。
- 自分の訛りがどれくらいあるかを判定できるサイトはありますか。
- 「訛りを何%」と出す道具はこの棚にはありません。近いのは、母音と子音を音ごとに採点して弱いところを出す形です。訛りは「どの音が母語の音に寄っているか」の集まりなので、音ごとの点を見たほうが直す場所が決まります。国別のアクセント判定を期待している場合は、目的が別物だと考えてください。
TAKE A 株式会社の代表。英語の教員免許を持ち、これまで20以上のオンライン英会話サービスを使い、通算1,000回以上のレッスンを受けてきました。いまはレッスンの録音をAIが分析する SpeakCoach を作っています。
